ライン畔のロマネスク②マリア・ラーハ修道院聖堂(独)
「マリヤ・ラーハは美しい調和的形態を有する中世建築の傑作である」
-吉川逸治ー
シュパイヤー、ヴォルムス(本館ヨーロッパ中世ブラブラ歩記にて掲載)
そして今回、最も見たかったマリア・ラーハ。やはりラインのロマネスクは
まさに堂々とし風格のある優美な姿を見せた。
( ファサード)
中世芸術に詳しいグザヴィエ・パラル・イ・アルテ氏も「北方ではロマネスク建築は
カロリング朝とオットー朝の建築の影響を直接的に受けている」と述べていますが、
特徴としては東と西に祭室があり、また入り口付近にアトリウムがあるのも珍しい。
そういった意味でも、やはりラインのロマネスクを見に来て正解だったと思っています。
内部は横断アーチによって補強された交差きゅうりゅう
であり、1156年。
外観に較べて内部は以外とこじんまりとしていた。
その点、実に広々としていたシュバイヤーに較べて
ちょっと見劣りしていると感じた。
中世芸術の碩学、ルイ・ブレイエは「11世紀の大規模な
建築はほとんどすべてライン河流域に建てられた」と述べ
ていますが、このロマネスクはその代表格でしょう。
(内部)
( 回廊を思わせるアトリウム前庭が入り口付近にあった)
(外観)大きさに圧倒された
巻頭の中世美術史の碩学・吉川氏は二重内陣形式はカルロス朝大教会堂の
典型的様式であると述べて,大きくて堂々としているのはそのあたりに理由が
あるのであろうか。
最後に吉川氏は「中世を通じて、これほど大きな温かい人格的なものを感じ
させる会堂建築は稀である」と述べています。
ライン畔のロマネスク巡り ①シュパイヤー大聖堂(独)
今年の初め、ライン川沿いのロマネスクを訪ねました。最初に訪ねたのが初期ロマネスク
シュバイヤー大聖堂である。何の外連(けれん)もない、実に堂々としたロマネスクであった。
流石に皇帝の庇護のもとに建築されただけのことはある。
(東側から見た大聖堂)
)
(同上)
(後陣部)
実にすっきり、堂々としている
(身廊部)
天井が高く、広々とした空間である
(ここの天井は交差ヴォルトが特徴である)
身廊壁面の大アーケードとクリアストーリーの窓の光で以外に明るい
(皇帝の建築だけに実に広いクリプトである)
ここには、皇帝も葬られている
(会堂南側)
(西側正面 一部を除き近年再建された)
ここの大聖堂は雪に映える実に堂々としたロマネスクでした。ことにクリプトは
皇帝の墓も備えた実に立派なクリプトといえる。中世美術の碩学、吉川逸治氏は
「シュパイヤーが第11世紀中ごろ、ヴォルト天井を試みるのは、全く皇帝の建設
であるという事情が然らしめるのである。しかも、、フランスのロマネスク会堂が
身廊を覆うために主に半円筒をもちいるのに対し、ここではより合理的な交互
ヴォルトを採っている」と述べている(中世の美術より)。
全て大らかで伸びやかなロマネスクであった、、、、。
シュパイヤー
サンティ・マリア・エ・ドナート聖堂(ムラーノ・ヴェネツイア)
ヴェネツイアの本島から船でこの島に中世の聖堂を観に渡った。
中世以来、ここムラーノ島はヴェネチアン・ガラスの島として有名ですが、この
ロマネスク期の聖堂は一見の価値があります。
中世の面影を残している。運河と塔はまさにミニ・ヴェネツイアである
(Santi Maria e Donato,Murano)
後陣のアーケイドが優美だ。そしてカンパニーレ(鐘塔)が離れて立つ。12C。
(後陣部)
何とも贅を凝らした二階のアーケイドである。このようなな形がイタリアの
ロマネスク様式の聖堂には多い。
(内部)
(アプスにはマリアの姿が)
普通はこの位置はキリスト像が定番だが、ここではマリアに譲っている。
やはりヴェネツイアはマリアの姿が多い。
船乗りを導く北極星としての役割のせいだろうか。「海の星マリア」は天の高み
から彼女に捧げられた名」とある(「聖母マリア」 ロス・ペリカン著)
(そうかマリアは船員の守り神がうえにヴェネツイアの人々はマリアを崇めたのか。
納得である。
中世の地中海は嵐や、海賊が跋扈していて危険極まりないところだったろうから)
(12世紀のモザイク)
こういった想像上の動物はロマネスクの真骨頂である。
ムラーノ島Murano
( このロマネスクはビザンチンの影響を受けているというが、やはりサン・マルコを
はじめとして、東方と交易のあったヴェネツイアは交易都市としての姿がここでも
垣間見える)
ルッカ Lucca(伊)のロマネスク サン・フレディアーノ教会
Luccaにロマネスク San Fredianoを訪ねました。ファサードの天辺にキリスト
の昇天のモザイクが目立つ一風変わったロマネスクの正面である。
(切妻風の屋根の下にモザイク画が描かれた独特な正面(ファサード)12C
ZODIAQUEのTOSCANE ROMANEによると
l'eglise de San Frediano constitue le principal exemple de
l'architecture romane a Lucques avant les ((influences pisanes))
que .....。つまりピサ様式の前にロマネスク建築の主要な例であると書いてい
る。中にはいると
軽快な円柱が並び
バジリカ風(注)の三廊式(身廊+二つの側廊)の内部でした。
何といっても最初に述べました正面がビザンツ風のモザイクと簡潔な正面の
教会で、これまで見たことの無い、一風変わった形のイタリアのロマネスクで
した。変わらぬのは、イタリアには多い白い大理石に覆われた建築(ロマネス
クということである。
(バジリカとは古代ローマの公共建築の一つである集会所の形態
から発達した初期のキリスト教教会堂建築の基本的な型のこと)
ロマネスクのある風景 ベルゼ・ラ・ヴィル(仏・ブルゴーニュ)
「青い地色の流派といわれ、色調は変化にとみ豊かで、デッサンはより進歩して
いる。同時代のビザンチンやイタリアのフレスコ画と密接な関係にある絵画で
ある」(ルイ・プレイエ)
(いかにもブルゴーニュらしい雰囲気の中にあるベルゼ・ラ・ヴィル礼拝堂)
一見農家と勘違いしそうな素朴な建築であるが、実際(現在は知らないが)
かっては一部は農業用の倉庫に(転用されて)使用されていたという。
(アプスに描かれている有名な荘厳のキリスト)
(左右の使徒に囲まれている)
前回お送りしたシャペーズと同日に訪ねた。ここはクリューニーに近いところ
からも分かるように(地図参照)クリューニー派の小修道院であった。
プレイエも言っているように青い地色の流派と呼ばれ地色に青を使っているの
が特色である。ビザンチンの影響がうかがわれるロマネスクの優れた壁画である。
(今回も動画はありません)
ベルゼ・ラ・ヴィル
(-)を数回クリックしますとクリューニーが出てきます)
シャペーズChapaizeのサン・マルタン教会堂(ブルゴーニュ・仏)
今でも懐かしく思い出されるブルゴーニュの空に映えるロマネスクの塔。
(初期地中海様式のロマネスク 11世紀)
(塔のロンバルディア帯が映える)
(粗々しい円柱に支えられた素朴な内部)
昨年の冬訪ねたドイツ・ライン川の畔のすばらしく、また洗練されたロマネスク
(いずれupします)を見て、この素朴なロマネスクを思い出した次第。同じように
ロンバルディア帯の見えるドイツのスケールの大きさに較べて慎ましやかなロマ
ネスクではあるが、そこに惹かれるものがあります。
シャペーズChapaize
(-)を数回クリックすると分かりますが、ロマネスク建築の重要なひとつ
トゥルニュのサン・フィリベールにも近い。このサン・マルタンとサン・フィリ
ベールをもう一度再訪したいものである。
(尚、今回は動画はありません)
サン・テニアンEglise Saint・Aignan(F)

私はこの春、 フランス ロワール地方の中世の町Saint-Aignan-sur-Cherにある
サン・テニアン教会を訪ねました。




怪奇動物



(鳥のセイレン)
前にお送りした魚のセイレン(人魚)はマールによるとこの鳥のセイレンから転化した

ロマネスク期の芸術は堅苦しく無く、本当に自由奔放である。
次にこの教会の最も重要な地下墳墓の世界をご覧下さい、、、、。
La collegiale Saint-ours サン・トゥルス教会(仏)

(サン・トゥルス教会 11C~12C)



(ピラミッドのような小さな尖塔の内部から見た様子)
このような形の尖塔は初めて見ました。

高台の城内にあるため、どこでも姿を見せるロマネスクでした。
(注) 今回は静止画だけで、動画はありません。
Loches ロシュ
人魚とロマネスクの話
この春、フランス・ロワール流域のロマネスクを見学して来ました。

現在本館にて上記 ロマネスク サン・ニコラの記事を掲載中です。御覧頂ければ幸いです。
http://yoku.blog.so-net.ne.jp/
(ヨーロッパ中世ブラブラ歩記)
トルチェッロTorcelloの二つのロマネスク (ヴェネツィア・イタリア)
荒涼たる土地の向こうに教会の塔が、、、。この風景は中世以来、変わらない
だろうと思った。
(サンタ・フォスカ聖堂右とサンタマリア・アスンタ聖堂)
(サンタ・フォスカ聖堂11世紀)
(同上内部)
ギリシャ十字形のプランを持つ。丸天井が木枠であるのが興味をそそった、、、。
(サンタマリア・アスンタ聖堂 11世紀)
(同上内部)
こちらも天井は木で、バジリカの三廊式である。
フランスのロマネスクを見慣れた目には、非常に風変わりなファサードを
持った両聖堂でした。
中世の村トルチェッロ島について詳しくは本館「ヨーロッパ中世ブラブラ歩記」
http://yoku.blog.so-net.ne.jp/ を御覧頂ければ幸いです、







